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神奈川県社会保険労務士会

神奈川県社会保険労務士会では、社会保険労務士の職業倫理の徹底について取り組んでおります。

各種制度と法律

動画で紹介 社労士って?

 

労働条件審査

社労士による労働条件審査

   社労士による労働条件審査は、地方自治体の業務を代行する指定管理者や、国や地方自治体が発注する公共事業等を請け負った企業について、雇用・労働分野の法令が遵守され、適正な職場環境が維持されているかどうかを確認するものです。一口に労働条件審査といっても、審査対象や事業形態によりその目的は異なります。当神奈川会では、審査の目的に応じて、次の3通りのモデルを用意しております。

 指定管理者に対する労働条件審査

海老名市、茅ヶ崎市において平成25年・26年度に実施した実績があります。

労働条件審査の内容
1.審査の内容
   指定管理者から提出された書類等を点検する「書類調査」と、実際に事業所を訪問して聞き取りを行う「訪問調査・ヒアリング調査」で構成されます。以下は、当会の標準仕様の概要です。
(1)書類調査
最初に、指定管理者に提出を求めた書類等で下記の視点に基づき点検します。
(1)就業規則の絶対的記載事項が法令に即した内容になっているか、また届出が適正に行われているか。法定基準を満たした労働条件が設定されているか。
(2)36協定届が法令に即した内容になっているか、また届出が適正に行われているか。
(3)労働条件通知書(又は雇用契約書)、賃金台帳、出勤簿(又はタイムカード)、労働者名簿の記載項目および内容が、法令に即した内容になっているか。
(4)個別の契約条件と就業規則に整合性があるか否か。
(5)雇用保険、社会保険の加入状況が適正か否か、また、社会保険標準報酬に誤りがないか。
(2)訪問調査
指定事業所を訪問し調査を行う。規程類と実際の労務管理の運用との整合性を点検するとともに、書類として提出を求めなかった事項についてヒアリングによって調査します。
(1)書類調査で疑義があった場合に、聴取の上確認する。
(2)書類として提出を求めなかった次の事項について聴取し確認する。
(ア)定期健康診断の実施状況とフォロー
(イ)年次有給休暇の付与・管理状況、時期変更権の適正な行使等について
(ウ)必要に応じ、36協定以外の協定書(賃金控除協定書、年体の計画付与協定書、育児・介護休業協定書、定年時再雇用基準協定書等)に関する有無
(エ)育児・介護休業規程等の有無
(オ)労働災害の有無やその後の対策状況
(カ)その他、委託形態、業務の性質等に応じて、雇用管理に関する重要な事項についての聴取
(キ)50人以上規模の指定管理者については、定期健康診断の報告状況、産業医、衛生管理者の選任、衛生委員会の有無と開催状況
(3)ヒアリング調査
従業員に対して、次の事項を中心に職場環境や労働条件についての満足度調査を行う。
(1)就業規則や労働条件通知書と実際の労働条件に齟齬がないか。
(2)年次有給休暇について、取得しやすい環境にあるか。
(3)休憩時間の自由利用は確保されているか。
(4)雇用の安定性があるか。
(5)労使関係は安定しているか。
(6)仕事上のル−ルが策定され、業務の標準化がなされているか。
(7)職員に対する教育、研修はきちんとなされているか。
(8)職場の人間関係は良好か、また、改善を要望することはないか。

2.審査の期間
   書類を受領してから、審査報告書の提出までおおむね2ヵ月を要します。

3. 審査結果の評価と報告書の提出
(1)評価
調査終了後に、法令評価と労働環境モニタリング評価を行います。
(1)法令評価は、48項目の法令評価項目チェックリストにつき独自の評価方法により総合点を算出し、4〜1の4段階で評価します。
(2)労働環境モニタリング評価は、23項目の評価項目につき独自の評価方法により総合点を算出し、A〜Eの5段階で評価します。

(2)報告書の提出
調査結果と評価の内容をA4版3〜4枚前後にまとめて提出します。
報告書には、評価に用いた法令評価項目チェックリスト及び労働環境モニタリング項目別評価表を添付します。

4. 労働条件審査料金
   一指定管理者につき120,000円(税別)

指定管理者に対する労働条件審査のフロ−
審査導入の方法
   労働条件審査は労働環境改善への動機づけを目的としておりますので、指定管理期間中の出来るだけ早い年度に実施することをお勧めします。 現在、海老名市の場合には、新規、更新の施設に対し、初年度と中間年度の2回行う予定で進めています。 初年度で指摘された事項が中間年度で改善できているかどうかをチェックする方式です。

(1)新規又は更新時に指定管理者を公募する際に導入する場合
   募集要領等に下記の事項を記載します。
      (1)管理に当たって遵守すべき法令等に、労働・社会保険関係諸法令が入っていない場合には、これらの遵守事項を加えます。
(例)法令等の遵守
   ○○施設の管理にあたっては、地方自治法、労働基準法など、関連する法令及び○○市、神奈川県の例規等を遵守することとします。 なお、指定期間中にこれらの法令、規定等に改正があった場合は、改正された内容を仕様とします。
<主な関連法規>
ア 地方自治法(昭和22年法律第67号)
イ 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)
ウ 労働・社会保険関係諸法令(労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働者派遣法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法等)

      (2)労働条件審査を指定期間内に行うことを明記します。
(例)労働条件審査の実施
   市は、下記のとおり指定期間中に指定管理者の執行する業務について、労働条件審査を実施します。
ア 社労士による調査の実施
労働・社会保険関係諸法令に基づく書類審査や労働環境の実地調査を実施しますので、指定管理者は必要な対応を行うものとします。
イ 審査の結果報告
審査の結果は、指定管理者導入施設所管課に審査報告書として社労士から提出されます。
ウ 法令の基準を満たしていない場合の措置
審査の結果、指定管理者が法令の基準を満たしていないと判断した場合、市は指定管理者に必要な改善措置を講じるよう通知や是正通告を行います。

      (3)指定管理者の選定が決定した後に、協定書にも労働条件審査の実施事項を盛り込みます。

(2)現在、すでに稼働中(指定管理中)の施設に導入する場合
   この場合は、審査の実施が募集の際の条件にもなっておらず、協定内容にも含まれていないため、審査を行うためにはあくまで指定管理者の協力を仰ぐという形になります。海老名市と茅ヶ崎市で初めて審査を導入したときは「トライアル」としてこの方式で行いました。

審査の契約方式
   労働条件審査の契約方式には次の2通りがあります。

(1)自治体主導型
   労働条件審査の実施について、まず自治体と神奈川県社労士会が業務委託契約を結びます。審査対象となる事業者や審査員などを決定し、スケジュ−ル調整を行って実施していきます。審査の実施主体が自治体になるため、指定管理者と社労士会との間の具体的な日程調整や事前に指定管理者から提供される書類の授受などについて、自治体が窓口となります。労働条件審査の実施について、まず自治体と神奈川県社労士会が業務委託契約を結びます。審査対象となる事業者や審査員などを決定し、スケジュ−ル調整を行って実施していきます。審査の実施主体が自治体になるため、指定管理者と社労士会との間の具体的な日程調整や事前に指定管理者から提供される書類の授受などについて、自治体が窓口となります。
   審査報告書は、社労士会から自治体に提出することになります。
   上記「審査導入の方法」に記載されている例は、この方式に基づいたものです。

(2)自主点検型
   指定期間の途中に指定管理者が社労士会に審査を依頼し、具体的な審査の実施に関して特に自治体が関与しないで行う方式です。
   審査の契約主体は、指定管理者と社労士会になりますが、審査費用については、指定管理料に上乗せすることとなるでしょう。指定管理者は社労士会から提出された審査報告書を自治体に報告することになります。
   この方式は、自治体の労力は削減できますが、指定管理者を管轄している自治体担当部署の主体性や問題意識が介在しなくなるため、ともすれば形式的なものになってしまう不安を残します。

請負事業者に対する審査

請負事業者に対する審査
   自治体が公務を発注する場合、実施業者を選定する方式で代表的な一般競争入札においては、市場原理が働くことにより落札するためにコスト削減が求められます。
   その結果、公共工事の建設業では、委託業務に従事する労働者の人件費が不当に低く抑えられ、長時間労働など業務に携わる労働者の労働条件の低下を招いたり、労働者を社会保険に加入させないなどの法令違反が生じるなど、一時期社会問題になりました。
   このような事態に対して、政府も社会保険未加入事業者に対する対策を立て改善を図るとともに、公共サービス基本法(注1)の公布により国や地方自治体の責務を明らかにしました。また、業務を委託された企業等に雇用される労働者の適正な労働条件の確保を図るため、地方自治体による公契約条例の制定などの動きが広がりつつあります。

   公契約条例が制定されている自治体では、労働報酬下限額の設定により賃金の低下に一定の歯止めはかかりました。たしかに、賃金水準は労働者の生活に直接影響を及ぼすことから、最も重要な労働条件の一つであると言えます。しかし、これに加えて労働者の健康や安全、雇用のセ−フティ−ネットである労働・社会保険など、雇用分野に関するコンプライアンス全般に目を向ける必要もあります。当会では、公契約条例の実効性を担保するとともに、さらに幅広くこれを補完する機能をモニタリングに加えることにより、公共サ−ビス基本法の理念が実現されると考えています。

   とは言え、自治体の担当者が全分野にわたり調査、点検するには限界があり、また効率的とはいえないでしよう。雇用・労働分野の法律は、労働基準法などの強行法規だけでなく労働・社会保険各法の実務法律や契約法の一種としての労働契約法など多岐にわたることに加え、それらが複雑に絡み合って成り立っていますので、法的側面のみならず実務に精通していることが求められるからです。
   このように、公契約条例などの遵守状況を確認するとともに、労働環境を幅広く点検し、委託業者の適正な労働条件を確保、維持していくには専門性と実務能力の両面が要求されますので、その道の専門家である社労士にお任せいただくことが、費用対効果の点で最適であると考えます。

   公共工事以外でも市場原理が顕著に働く競争入札では、常に労働環境に対する懸念が残ります。継続的な請負事業である自治体窓口業務、学校給食、医療・保育などの現場は、指定管理者制度と同様に市民生活と深く結びついています。市民の安全・安心の確保と良質なサ−ビスが提供されるためには、現場のモニタリングが不可欠であると考えます。

(注1) 公共サービス基本法 (平成21年5月20日法律第40号)
   「国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。」(第11条)

 入札参加者の事前審査

平成24年度に法務省登記所の競争入札参加者に実施した実績があります。
競争入札の参加資格のための事前審査
   民間会社においては昨今、企業の社会的責任を取引先にも求める「CSR調達」の考え方を積極的に取り入れるようになってきました。違法で劣悪な環境で従業員を働かせている会社と取引することは、自社の信用も低下させるという危機感に基づいたものです。
   国や地方自治体の場合では、「公正労働」の観点からも、契約の相手方である企業のコンプライアンスは一層強く求められ、公共の仕事を任せるにふさわしいかどうかを事前にチェックすることが要請されます。

   法務省では、全国50の法務局が管轄する登記所(約500ヵ所)の証明書等の発行業務について民間委託を実施しています。平成19年度から一般競争入札により業者を選定し、大手派遣会社等が受託してきましたが、この分野においても労働社会保険諸法令に違反する者が現れるようになり、業務委託の在り方が国会で問題視されました。
   こうした問題に対応するため、法務省では受託業者の法令違反を防止するとともに、入札段階で不適正な業者を排除する方策を打ち出し、社労士会に対し「入札参加者への実態調査」の申し入れを行いました。社労士会では平成24年度に、13都道府県の32社について調査を実施いたしました。
   この調査では、入札参加企業の本社について書類審査と現地調査を行い、「重大な法令違反」があった場合に、入札資格の欠格事項の一つとするものです。

   このような「入口規制」は指定管理者制度においても推進されており、平成22年12月28日に総務省が全国の自治体の首長宛に出した通達では、「指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、指定管理者の選定にあたっても、指定管理者において労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮がなされるよう留意すること」とされています。現在、指定管理者の選定委員会に外部から専門家が加わっている自治体の中には、社労士が委員に参画し主に労働分野での評価についてお手伝いをさせていただいているケ−スもあります。

   事前調査により入口段階で応札企業をふるいにかけることは、一定の効果を生むと思われます。しかし、実際に現場の仕事が始まってみないと労働実態が把握できないので、適正な請負契約になっているかなど契約の根幹に関わる問題についてはチェックが行き届きません。また、事業を担う労働者を現地採用した場合には、本社と異なる勤務条件で運用することも考えられます。したがって、選定された民間事業者に対する現場での継続的なモニタリングも欠かせないと考えます。

 なぜ労働条件審査が必要なのか

   近年の行財政改革により、公共サービスの分野にも民間の経営資源が活用されるようになりました。平成13年6月に経済財政諮問会議により「公共サ−ビスの提供について、市場メカニズムをできるだけ活用していくため『民間でできることは、できるだけ民間に委ねる』という原則のもとに、公共サ−ビスの属性に応じて、民営化、民間委託、PFIの活用、独立行政法人化等の方策の活用に関する検討を進める」ことが基本方針の中に掲げられてからは、この動きに一層拍車がかかりました。平成15年には地方自治法を改正して、公共施設の新たな管理代行方式である「指定管理者制度」が創設されるに至りました。

   自治体は、民間のノウハウを導入することにより、市民サ−ビスを充実、向上させながら費用の縮減を図るという課題に取り組むことになりました。いくつかの新しい行政手法による民間への移譲は一定の成果を見ましたが、同時に公務が市場化されたことにより新たな問題が浮上しました。自治体の仕事を受注するためにコスト削減のみに目が向き、労働法令を守らず不適正な労働環境で働かせる事業者が出現したのです。 現場の仕事を日々行う労働者の労働条件、職場環境が悪ければ、良質な市民サ−ビスは期待できません。また、公務を担う責任意識に欠け労働者のモチベ−ションが低下すると、市民の安全確保にも不安を残すことになります。

   こうした問題を受けて、公正労働の実現を目指した「公契約条例」を制定する自治体が現れました。これは、主に公共工事等に従事する労働者の賃金面に特化した公契約規整であり、市場原理による賃金の低下に歯止めをかける効果が期待されています。 また、自治体の仕事を行う事業者に一般的なコンプライアンスが求められるのは当然のことですが、この中に労働関係の分野が加えられるようになりました。平成21年に制定された「公共サ−ビス基本法」では、公共サ−ビスに従事する者に対して適正な労働条件を確保し、労働環境の整備のため必要な施策を講じるよう要請しています。

   このように、公務を担う事業者が労働分野の法令を遵守するのは当然のことという考えは、徐々に浸透しつつあります。さらに一歩進めて、公務の公共性を確保し、良質のサ−ビスを提供するために、安定した労働条件の確保と高いモチベ−ションが維持できる職場環境を実現しなければなりません。そのためには、公務を担う事業者の労働環境について不断の点検とモニタリングが欠かせないと考えます。

(1)指定管理者に対する労働条件審査
   平成15年6月に地方自治法が改正され、公の施設の管理運営やサービスを民間事業者等が行う「指定管理者制度」が施行されました。制度創設から10年が経過しましたが、この間指定管理の導入施設は増加の一途をたどり、平成24年の調査では、全国で73,476の施設に導入され、そのうち33.2%の24,384施設に民間企業等が参入しております。

   従来の管理委託制度と比べて指定管理者制度では、事業を担う事業者に大幅な権限移譲が行われるため、現場に対して自治体の目が行き届きにくくなったことから、モニタリングの必要性が指摘されています。また、この制度の事業運営は、市民と日常接することが多く、指定管理者の労使関係が市民サ−ビスに色濃く反映するのも特徴の一つです。

   このような理由で、現在、当会では特に指定管理者を対象とした労働条件審査に重点を置き、県下の自治体に導入の提案を推進しています。指定管理者に対する一般的な管理運営上のモニタリングは欠かせないものであり、各自治体で取り組まれていると思いますが、この労働条件審査はそれを補完するのみならず、むしろモニタリングの心臓部であると捉えております。もちろんこの審査は第三者機関によるモニタリングに位置づけられます。

【審査の目的と基本方針】
   公の施設等の管理・運営を指定管理者が行うにあたって、効率的な事業運営を実現するとともに、市民が安全な環境で安心して施設を利用でき、良質な市民サービスを提供することは最も重要な課題です。とりわけ、指定管理者の仕事は市民と日常接することが多いため、そこで働く従業員のモチベ−ションは市民サ−ビスに直接影響を及ぼします。従業員が高い満足度で生き生きと働ける職場環境にあるか否かは、市民サ−ビスの向上を左右する大きな要素となります。

   施設利用の際に市民の安全が確保されていることは、何にも増して優先されなければなりません。過去には、指定管理者制度発足前の出来事ではありますが、受託業者の不手際によりプ−ルで児童が死亡するという痛ましい事故がありました(注)。公共の業務に携わる従業員のモチベ−ションや責任意識が要因の一つであったことは間違いありません。昨今は、職場における待遇への不満から市民を巻き込んだ事件も発生しています。一つの労働環境が市民の生活全般に及ぼす影響が拡大してきたと言えるでしょう。

   指定管理者の職場環境を調査し、問題点を把握した上で改善提案を行うのが社労士による「労働条件審査」です。一般的に行われているモニタリング、すなわち施設の管理状況を点検し、運営実績を評価することは確かに大切ですが、評価結果を外観するだけでは限界があります。日々の施設運営の良し悪しが、そこで働く従業員の意識や意欲に左右されることを踏まえるならば、「職場環境」をモニタリングの対象に加えることが重要であると考えます。

   この審査では、労働条件の法令遵守状況を調査するとともに、従業員へのヒアリングを通じた労働環境のモニタリングを通して一定の評価を行い、指定管理者の労働分野の問題点を洗い出して、「労働条件審査報告書」として自治体に提出いたします。
   審査の効果としては、まず、指定管理者のコンプライアンス意識や管理者としての責任と自覚を高めることになります。さらに、職場環境が改善されることにより、指定管理業務に携わる従業員のモチベ−ションの向上を促すきっかけとなり、市民サ−ビスの向上に反映されると考えます。また、これらのことは「公共サ−ビス基本法」にある、公共サ−ビス従事者の適正な労働条件の確保と労働環境の整備について必要な施策を講ずるという理念にも合致します。
   労働条件審査は、「あら探し」が目的ではなく、法令に準拠した職場運営の実現と、職場環境の改善による従業員の労働意欲の向上に軸足を置いたものです。また、指定管理者にとってもできるだけ少ないご負担で審査に臨んでいただけるプログラムを組み立てております。

   (注)   2006年8月に埼玉県ふじみ野市で、請け負った業者のずさんな管理により市営プ−ルの給水口に女児が吸い込まれて死亡した事故。2007年8月にも島根県出雲市では、指定管理者であるNPO法人が管理するプ−ルで、人員不足により監視マニュアルを順守する体制になっていなかったため死亡事故が発生しています。このほか、指定管理者導入施設の事故では、2009年のバスケットゴ−ル死亡事故、2010年の浜名湖水死事故(いずれも静岡県)などがあります。

【審査の対象】
   現在、審査の対象としているのは、神奈川県下の自治体が指定する指定管理者の中か ら自治体が選定した民間事業者と指定管理者が再委託した事業者です。なお、自治体の意向があれば社会福祉法人、NPO法人、公益財団法人など雇用関係が存在する事業体はすべて対象になります。

【審査導入の実績と評価】
●神奈川県内の実績

 ・平成25年度

 

海老名市において、5施設7社の民間事業者について審査を実施しました。
茅ヶ崎市において、1施設1社の民間事業者について審査を実施しました。
・平成26年度
海老名市において3施設4社の民間事業者について審査を予定しています。

 

 

  ●指定管理者選定委員への委嘱
   指定管理者を公募し選定する際の委員会に、当会の社労士を選定委員として委嘱される自治体が増えてきました。海老名市、相模原市、厚木市では、主として民間事業者を選定する際の委員として委嘱された実績があります。
   社労士が選定に加わると、労働関係分野のコンプライアンス状況の視点から事前評価できますので、自治体の仕事を任せる資格を備えた事業者かどうかの判断に寄与します。
   また、選定された事業者に労働条件審査を実施していく場合に、円滑に事が運びます。

指定管理者に対する労働条件審査導入のメリット
  • 地方自治体は、労働条件が整備された企業に安心して業務を任せることができます。
  • 指定管理者で働く従業員のモチベーションを継続的に点検することにより、市民活動の安全・安心を確保します。
  • 働きやすい職場づくりを目指して改善を促すことで、住民サービスの質を向上させることが期待できます。
  • 現地採用された従業員の多くがその地域の住民でもあることに照らせば、労働条件の向上は地域社会の活性化にも寄与すると思われます。


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